これで一発合格!効果的な宅建の勉強方法とは?
宅建の学習を始めるにしても何から手をつければいいのでしょうか?
これから宅建を勉強する方にとっては知っておきたい宅建の勉強方法を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
宅建合格に必要な時間は約300時間!まずは学習計画を立てよう!
宅建を勉強するにあたってまず知っておきたいことは、合計どのくらい勉強したら合格できるのか、という点です。そしてそれをもとに学習計画を立てます。
宅建合格に必要な時間は合計300時間程度と言われています。
ではどのくらいの期間で学習すればいいのでしょうか?
学習期間から逆算すると、どのくらいの時間を目安に勉強すればいいのか計画が立てられます。
例えば、4月から宅建の勉強を始めるとします。
宅建試験は10月第3日曜日に行われるので、4月中旬から勉強を始めると、ざっくりと学習期間は約6ヶ月となります。
6ヶ月間(約180日)で300時間の学習時間を確保するとなると、1日平均100分(1時間40分)程度の学習時間が必要となります。
毎日1時間40分勉強してもいいですし、仕事の日に勉強時間が取れないのであれば、休みの日にある程度まとめてでもいいと思います。
※もちろん勉強時間がとれる方は、350時間くらいまでは勉強時間数を増やすことにこしたことはありません。
また、3ヶ月(90日)で合格を目指す場合には、1日平均の勉強時間は200分(約3時間20分)となります。
4ヶ月(120日)なら1日平均学習時間は2時間30分です。
5ヶ月(150日)なら1日平均2時間ですね。
※ちなみに勉強時間は全く初めて学習する場合の目安です。
初めて宅建を受験する場合には、もっと余裕を持って、10ヶ月間(300日)程度期間を確保できれば、1日1時間程度となります。
宅建は上位約15%が合格できる競争試験となります。上位15%は偏差値で言うと60くらいとなり、決して簡単ではありません。
宅建の学習を始める際には、日々どのくらい勉強したらいいのか学習計画を立ててから始めることをおすすめします。
分野ごとの目標点数を定めよう!
宅建試験は分野ごとに出題数が決まっています。そこで、各分野ごとに何点くらいを目標にしたらいいのかを定めましょう。
各分野ごとの得点目標を定めることで、それぞれどのくらい勉強すればいいのかという目安ができますし、勉強時間の配分も可能になります。
まず、分野ごとの出題数ですが、全50問で「権利関係(民法・特別法)」14問、「宅地建物取引業法」20問、「法令上の制限」8問、「税法」2問、「諸法令・その他」では5問という出題数になります。
それでは各分野ごとの得点目標を見てみましょう。
まずは権利関係ですが、権利関係は範囲が広くさらに難易度の高い問題が出題される傾向があります。つまり、権利関係に時間を使いすぎるのはよくありません。権利関係の勉強に時間と労力を費やしても、本番で得点できるかわからないのです。しかし毎年のように出題される分野もありますので、よく出るところに絞って勉強するのが吉です。得点目標は14問中の7問~9問くらいを目安にしましょう。
次に宅地建物取引業法(宅建業法)ですが、宅建業法は宅建試験のメインディッシュと言っても過言でないほど重要な分野です。
「宅建」の試験だから宅建業法が一番重視されるのは当然といえば当然ですよね!
宅建業法は50問中20問出題されます。宅建試験の配点の4割を占めます。
そして宅建業法は割と覚えることや業務に関する内容が多く、範囲もさほど広くはないので(と言っても勉強したら広く感じると思いますが汗)、割りととっつきやすく、得点もしやすい分野でもあります。
ですので宅建業法は20問中18問くらい取れればベストです!できれば満点も狙っていきたいところです。
20問中18問や満点と聞くと無理そうに思えますが、権利関係で高得点を取るよりは全然難易度は低いと思います。
この宅建業法の出来によって合格が左右されると言っても過言ではないので、再優先分野として勉強を頑張りましょう!
宅建業法の次に重視したい分野としては、法令上の制限という分野です。
法令上の制限は一つの法律ではなく、宅地建物に関わる様々な規制をしている法律を総称しています。
法令上の制限で学習する法律は、「都市計画法」「建築基準法」「国土利用計画法」「農地法」「土地区画整理法」「宅地造成等規制法」「その他の法令による制限」があります。
各法律からの出題数の目安ですが、都市計画法:2問、建築基準法:2問、国土利用計画法:1問、農地法:1問、土地区画整理法:1問、宅地造成等規制法・その他の法令制限:1問の合計8問となっています。
法令上の制限は一言でいうと暗記モノです。とっつきにくい内容に加え、覚えることがたくさんあり辛いところですが、逆に言うと覚えれば取れます。
法令制限の得点目標としては、8問中6~7問は正解したいところですね。
一つの興味深いデータがあり、宅建試験に受かった人と受からなかった人の違いは宅建業法の出来に加えて、法令上の制限も良く出来ている方が多いようです。法令上の制限は敬遠される分野ではありますが、おろそかにしてはいけませんね。
ここまで権利関係、宅建業法、法令上の制限について説明してきましたが、優先度はまずは宅建業法、次に法令上の制限の順に高く設定しましょう。権利関係は宅建業法と法令上の制限をマスターした後に取り掛かりましょう。
その他「税法」では2問出題されます。税金の種類としては、所得税、印紙税、登録免許税、不動産取得税、固定資産税、贈与税から2問出題されます。税法もとっつきにくい暗記モノになりますが、2問中1問くらい取りたいところです。
最後に諸法令・その他では、「価格の評定」から1問、「不当景品類及び不当表示防止法」、「住宅金融支援機構法」、「土地」、「建物」、「統計問題」から4問出題されています。
まずは「価格の評定」ですが、地価公示法または不動産鑑定評価からどちらか1問出題されます。傾向としては地価公示法が出題された年の次は不動産鑑定評価、その次は地価公示法、のように交互に出題されることが多いですが、たまに2年連続出題されます。地価公示法の方が難易度が低いので、地価公示法が出題された時は得点したいところですね。
「不当景品類及び不当表示防止法」、「住宅金融支援機構法」、「土地」、「建物」、「統計問題」から4問ですが、これらの複合問題も出るので、上記のすべての分野が出ると思っていていいです。得点目標としてはこのうち2問~3問、価格の評定と合わせて最低3問くらいは正解したいところです。
ただし、諸法令・その他についてはそんなにがっつりと学習する必要はなく、試験が近づいてきたらざっと勉強する形でも大丈夫です。特に統計問題などは試験前日や当日試験会場に向かう電車の中で確認する形でも間に合います(事前に勉強しておくに越したことはないですが)。
以上が各分野の得点目標です。これまでの得点目標を合計すると、権利関係:7~9問、宅建業法:18~20問、法令上の制限:6~7問、税法:1問、諸法令・その他:3問、合計で35~40点となり、合格ラインを超える計算になります。
学習のステップ まずは基礎知識をマスターしよう!
学習計画を立て得点目標を設定したら、さっそく宅建の受験勉強をスタートしましょう。
宅建の勉強のステップとしては、まずは基礎知識を一通りマスターすることが大事です。
とは言ってもなかなか範囲が広いので、一朝一夕にはマスターできませんので、毎年出題されている範囲や得点しやすい分野をまずは学習しましょう。
学習する手段としては、「宅建の通学講座に通う」「通信講座」「自分で教材を購入しての独学」「宅建の家庭教師」などがあると思います。
それぞれの学習方法の特徴やおすすめは他の記事にて書いていきます。
どの手段でも、まずはテキストの内容をマスターするところから始まります。
テキストの内容をマスターするために必要なことは、
- まずは毎年出る基礎知識から勉強する
- 何度も繰り返して読み込む
- マーカーで線を引く
- 覚えるところは暗記する
- 過去問を解いてみる
と言ったところを意識しましょう。
満点を狙わず、合格点を狙おう!
例年、35問前後が合格基準点となっており、合格率は15~17%前後です。
これまでの宅建試験の傾向では、宅建試験50問中の約70%である35点前後が合格ラインになる傾向が多いのです。
つまり、満点を狙うのではなく、合格点を狙う勉強法が最も近道です。
そのためにはやみくもに全てを覚えようとするのではなく、試験にでるところや重要ポイントに絞って学習することが、合格するための近道と言えます。
(確実に合格するためには、80%の正解、つまり40点を取ることを目標にするほうが良いでしょう。)
ここで一つ注意。宅建試験50問すべて正解するためには、たとえば100の知識が必要とします。
この100、それぞれ80%の知識を持てばいいのかと言うと、そうではありません。
80%の正解とは、100のうち80に関しては100%の知識を持たなければならないということです。ですから、得点すべき項目については曖昧な知識ではなく、完璧な知識が必要となります。
そのためには、出題頻度の低いところや宅建試験の出題範囲外の知識に深追いするより、まずは重要ポイントを先に完璧にマスターしたほうが効果的といえます。出題頻度の低いところはとりあえず後回しにすることも必要です。
宅建試験は1点が合否をわける!
宅建は本試験で合格点まであと1点足らずに涙を飲む受験生がとても多い試験です。そんな悔しい思いをしないように、最後まであきらめずに勉強する、取れるところはしっかりとる、という強い心構えが必要です。
暗記は避けて通れないが、覚えれば確実に得点できる!
やはり宅建の勉強には暗記することが必要になります。
「誰に対して」「○日以内に」「何を」「どうする」など覚えなくてはならないことがたくさんあります。(特に宅建業法や法令制限などで暗記項目が多いですね)
宅建業法の「重要事項の説明」、法令制限の「用途制限」など、暗記しなければならない項目もありますが、毎年必ず出題されている項目なので、宅建に合格するためには暗記は避けて通れません。
逆に理解できていなくても、暗記ができていれば正解できる問題もあります。
そのくらい暗記は重要です。
ただ暗記には努力と時間を要し、とても辛くて大変だと思われるでしょう。
しかし逆に考えれば、暗記科目は覚えれば確実に得点ができる項目なのです。
他の受験者が苦手とする分野が得点源になり、競争試験において確実に有利になります。
そこで、できる限り効率良く暗記や学習を進めていく方法をご説明します。
★効果的な暗記方法
人間は脳を使って記憶をします。したがって、脳の機能を効率的に使いながら勉強することでより記憶力をアップさせることができます。
また、脳に印象づけると記憶に残ります。視覚、聴覚などの五感を使って覚えると、脳に印象を刻むことができ、記憶がしやすくなります。
例えば、視覚、聴覚などの体を使って覚えると記憶力がアップします。
●音読して覚える(視覚、聴覚を使う)
→覚えたいところを声に出して繰り返し読んでみましょう。
●くりかえし書く(視覚、手を使う)
→白紙(不要な紙の裏紙でもOK)とペンを用意し、覚えたいところをひたすら書いてみましょう。字はなぐり書きでOK!素早くたくさん書きましょう。
●音読しながら繰り返し書く【オススメ!】(視覚、聴覚、手を使う)
→覚えたいところを紙に書きながら音読してみましょう。
●15秒待ってから何も見ないで(空で)言う
→覚えたい文などを読んでから、15秒後に何も見ずに唱える
●15秒待ってから何も見ないで書く
→覚えたい文などを読んでから、15秒後に何も見ずに書き出す
☆最終的には何も見ないで思い出すことで記憶がより定着します。
覚えたい箇所を水性の赤いマーカーで色をつけ、緑色のシートや下敷きの上から見ると、赤い色をつけた箇所が隠れるので、見ないで思い出したり書き出すという暗記方法もあります。
★記憶を定着させるには?
エビングハウスの忘却曲線という理論があります。人間の記憶は1日の間に急激な忘却が起こり、1日後には7割以上忘れてしまうというものです。次の図がエビングハウスの忘却曲線です。
残念ながら、我々の脳は1日後にはほとんど忘れてしまうのです。
講義を受けてその日には分かっていても、日が経つとどうしても忘れてしまうものです。
では、記憶を定着させるにはどうしたら良いのでしょうか?
それには復習をすることが最も大切です。復習をすることで、記憶は定着していきます。
学習をした後、1日後には7割以上忘れてしまいますが、その後復習をすることで記憶は復活し、忘れにくくなります。さらにそれを反復して繰り返すことで、どんどん記憶は定着していくのです。
●一定期間を空けながら復習する
たとえば、3日おきに復習するよりは、1日後、3日後、1週間後、一ヶ月後という間隔で復習する方が定着度が高いと言われています。
●睡眠時に記憶は定着する
覚えたことは睡眠を取ることで脳に定着します。しっかりと睡眠を取ることも大切です。
記憶定着には覚えたあとにすぐ寝るのが良い、という実験結果もあるそうです。
●分割して覚える記憶法
例えば、「135851274294」を今すぐに覚えなさいと言われたら、すぐに覚えることができますか?そのまま覚えようとしてもなかなか難しいですよね。
このような場合、分割して覚えるのが効果的です。
つまり、「135―851―274―294」のように分割すると覚えやすくなります。
文章の場合も同様です。下の例ではどちらが理解しやすく記憶に残るでしょうか。
(例)
第1種低層住居専用地域または第2種低層住居専用地域に関する都市計画には、建築物の高さの限度を定めなければならない。
(分割した場合)
第1種低層住居専用地域または第2種低層住居専用地域に関する都市計画には、建築物の高さの限度を定めなければならない。
上の例のように文章も覚えたいところにマーカーで色をつけたり、アンダーラインを書いたりペンで囲ったりすることで他の部分と分割できるので、理解・記憶がしやすくなります。
しかし、やみくもに文章全部に線を引いてしまうと効果的に分割ができませんので、特に重要なところを中心に線を引く方が効果的です。
過去問・模擬試験に挑戦しよう!
基本テキストなどで基礎知識を学習したら、今度は過去問を解いてみましょう。
もちろん最初はとても難しく感じるかもしれませんが、間違っても全然大丈夫です。とにかく問題に慣れることが大事です。
宅建試験は、最終的にはどれだけ問題を解いたかが合否に大きく関わってきます。そしてただ解くだけ、解いたら終わり、ではなく次のことが必要になってきます。
●間違えた問題にはマークをつける・問題を解いたら必ずテキストをチェックする【重要】
問題集や模擬試験・答練などで問題を解いたとき、間違えた問題には必ず印をつけておきましょう。例えば、正解した問題には○、なんとなく正解した場合は△、間違えた問題には?を、問題番号の近くにつけておきます。
問題を解いたら解説を読み、必ずテキストの該当箇所を読み返してください。4択なのですべての選択肢の該当箇所をチェックしましょう。
そして後日再度△や?のついた問題を解き直します。そこでまた間違えてしまったら、?や△を追加します。そうすることで、「自分が何回間違えたのか」「どの問題が自分にとって不得意な分野なのか」ということが見えてきますので、間違えたら再度テキストを確認し、正解できるようになるまで繰り返し解いてみましょう。
まとめ
これまで宅建の学習方法について説明してきましたが、まとめると至ってシンプルです。
- 学習計画を立てる
- 基礎知識から勉強する
- 暗記すべき項目は暗記する
- 問題を解いてみる
- 何度も繰り返す
これしかありません。宅建合格には近道や裏ワザなんてないのです。上位15~17%が合格できる競争試験です。頑張った人から順に合格するのです。逆に言うと、努力が報われる試験です。
自分で計画を立てたり1人で勉強するのが難しそうな場合は、やはり宅建の学校に通学したり、通信講座を取り寄せたりするのが無難ですね。
まあ一度合格すればこっちのものですので、中途半端に勉強して何年もかかってしまったりするより、数ヶ月本気で頑張って合格してしまう方がいいかもしれません。